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【書評】『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』 神田昌典

神田昌典さんの本には、良書のマーケティング本が多いですが、その中でもこの本は根強い人気があります。その理由はおそらく、今後もずっと使えるマーケティングの考え方が書かれているからだと思います。

60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法
 

神田昌典さんの本は、一見すると怪しい本が多いです。(汗

90日で会社の売上が3倍になるなど、通常ならありえないような事が本のキャッチコピーや本文に使用されているからでしょう。

でも、神田昌典さんの本を読んでいると、それが完全な嘘ではないと言う事が分かってきます。神田昌典さんの考えの基礎になっているのは、アメリカのダイレクトマーケティングです。

ダイレクトマーケティングは、顧客の感情に働きかけるメッセージを、魅力的な提案と共に伝えることで、すぐに反応が得られるようなマーケティングの考え方です。

商品が欲しい人を探し、自社の商品の魅力を伝え、良い提案で「売る」事を強く意識するようになるので、場合によっては急に儲かると言う話もあながち嘘ではありません。

 

日本人は「売る」ことや「儲ける」に関して、特に抵抗がある民族だと言われています。

しかし現実には、利益を出さなければ企業は存続できません。従業員に給料やボーナスを支払うこともできませんし、新しい商品を開発することもできません。お客様に安定したサービスを提供する余裕もありません。

もちろん、ただ儲ければ何をしても良いと言う訳ではいけませんが、「儲ける事も大事」という事ですね。

 

日本には、良い物を作ろうとする意識が強い会社が多いそうです。ただ、誰に向けて宣伝するかや、売れる仕組みなどのマーケティング活動の意識は低いです。

もし、良い物があり、マーケティング活動をほとんど行っていないのであれば、マーケティングに力を入れるだけで、一気に高収益の企業になる可能性があると言うことですね。

 

そんな神田昌典さんのマーケティングの考えの一部を抜粋します。

 

・賢い経営者がいるから会社が繁栄するのではなく、マヌケでも繁栄してしまうビジネスモデルを作る。

・戦略のある会社は楽して儲かる。圧倒的に儲かり、短期間に業界地図を塗り替えることができる。

・運良くこれから成長する商品と出逢えば、どんなにバカな経営者でも、爆発的に儲かってしまう。

 

これは神田さんの本によく出ているエピソードですが、神田さんは、日本で海外製の巨大な冷蔵庫を売ろうとした時に、とても苦労されたそうです。

日本には、有名な家電メーカーが多くあります。ライバル商品がひしめく中、しかも日本では知名度のない巨大な冷蔵庫を売ろうとするのは、かなり難しいです。

逆に、ライバルのいない商品を取り扱えば、苦労せずに儲かるビジネスモデルが作れるという訳ですね。

 

・企業にとって差別化は善であり、均質化は悪である。丸い会社を目指すのではなく、尖った会社をつくることである。尖った会社を嫌う客は当然出てくる。誰からも嫌われないということは、すでに危険信号が点滅している。

 

今、日本には商品が溢れるようになり、どの商品を購入するかを顧客側が自由に選べる時代になりました。なので、商品の差別化が重要視されるようになったそうです。

確かに、安いのが売りのお店も、高級嗜好のお店も、どちらもお客様を選んでいますね。

 

こういった目からウロコのマーケティングのノウハウが300ページ以上に渡って書かれています。ちなみにこの本は1600円ですが、一人24万円のセミナーで話される内容と全く同じだそうです。

マーケティングを学びたい方は、間違いなく買って損はない本だと思います。