【書評】『幸せになる勇気』著者:岸見一郎,古賀史健
アドラー心理学について分かりやすく書かれている「幸せになる勇気」が面白かったです!
本当に幸せになる為のコツが書いてあったし、「あぁ幸せってこういう気分なのかな」と言うことが分かった気がします。
競争社会にどっぷり浸かっていると、アドラーの言っている事が分かりにくいと思います。
常に人と比較して生きなければいけないので、誰かと付き合うのはその人の良さに惹かれていたり楽しいからではなくて、自分のステータスの為であったり、自分の利益の為であったり・・・。
そういった気持ちも分かるのですが、それが強すぎると幸せを感じれないかもしれません。
それだと誰かに優越している時だけが幸せで、それ以外のときはビクビクしていないといけませんからね。。
アドラーが言う幸せになるためのコツとは、
「比べないこと」
「わたしはわたし、あなたはあなた。ということを認め合う。」
「愛されたいなら、自分から愛を与える。」
こういった考え方です。競争するのではなく、共存共栄や調和の考え方ですね。
私は、かなりの田舎出身ですが、田舎の人はそういった幸せそうな人が多いように感じます。
決して裕福ではないんですよ。田舎の方にいくと電車は1時間に1本が普通ですし、遊ぶ所や買い物が出来る場所もほぼ決まっています。
ですが地域や集落の繋がりであったり、お互いがお互いを助け合ったりというような共存共栄の意識は、無意識かもしれませんが強かったのではないかと思います。
贅沢はほとんどないですが、その繋がりによって得られる幸福感が大きかったのではないかと思います!
こう言ってはなんですが・・・見た目も気にしてなくて、お金もないんだけど、友達が多くてすっごい幸せそうに生きている人もいるんですよ。
彼らは本当に幸せなんだと思います。
幸せになる勇気とは、周囲の目を気にするのではなくて、まずは自分で自分を認めてあげることではないかと思います。
自分は自分で良いんだという感覚が、まずは大事です。
すると自分に自信が持ててくるので、少しずつ幸せな気持ちになれますし、今度は他人にそれを与える事によってもっと幸せになれます。
ただ、この本のタイトルにもなっている通りそれには「勇気」が要ります。
社会に出ると、どこにでも多少は比較や競争はありますからね・・・。
その現実を知った上で、幸せになるための生き方をしていこうというのが、この本から教わった事でした。
【書評】『生きる場所を、もう一度選ぶ』著書:小林奈穂子
人生は一度きりです。
だからこそ、自分が生きたいように生きるのは素晴らしいことではないでしょうか。
・・・もちろんいい歳をして仕事をしないニートはよくありません。
ただ、自分の長所を生かして仕事をして、周囲に貢献し、生きたいように生きると言うのは、人生で最高の贅沢のような気がします。
敷かれたレールの上を走る人生も良いと思いますが、ちゃんと最後まで上手く走れる人は多くはないかもしれません。
むしろ人生は山あり谷ありで、何が起きるか分かりません。
人生塞翁が馬です。
そういった時に、思い切って敷かれたレールの上ではなく、自分のやりたい事に挑戦してみるなど、生きる場所をもう一度選ぶことを始める選択肢もいいと思います。
この本は、そういった生き方をしている人達のリアルな声を知ることができました!
生きる場所を、もう一度選ぶ 移住した23人の選択(しごとのわ)
- 作者: 小林奈穂子
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2017/01/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私が読んだ感想は、、皆さんイキイキとしていて楽しそう!と言うことでした。
お菓子の通販をしながら人気ブロガーになって生計を立てている方や、
脱サラして人気カフェを営んでいる方など・・・。
自分がやりたい事を探し続けた結果、自分にしかできない仕事にたどり着いたような感じを受けました。
こんな人生、楽しそうですねぇ。
あこがれます!
【書評】『京セラフィロソフィ』 著書:稲盛和夫
壁にぶつかって、悩んでいる時に、本が読みたくなる。
人それぞれ本を読む理由は違って良いと思うのですが、
私は壁にぶつかって、悩んでいる人にこそ、本を読んで貰いたいです。
というのも、本を読むことで、
過去に自分と同じ悩みを持っていた、共感できる人を見つけて安心する事ができ、
時には解決方法のヒントを知ることができるからです。
理想と現実が離れているほど、人は悩みます。
その悩みの対処方法としては、
「理想に現実を追いつかせようとする。」
と言う事だと思うのですが、
その為には「心の安心」と「具体的な解決方法のヒント」があれば、
より追いつくのが早くなると思います。
本には、過去に自分と同じ悩みを持っていた人がいて、
それを物理的に、もしくは、精神的に乗り越えたようなエピソードがあります。
悩みに対する引き出しが1つ増えることになります。
「こんな悩みを持つ人は自分だけかもしれない・・・」と思うから辛いのだと思います。
過去に同じ悩みを持っていた人は、高確率で見つかるので、その時点で結構救われます。
選ぶ本は、ビジネス本でも、小説でも漫画でも良いのですが、
悩みを解決をしたい場合は、リアリティが高めの内容の方が良いです。
というのも、自然界は弱肉強食で適者生存。人にはわがままな自我(エゴ)があります。
リアリティが少ない本は、それが割合はどうであれバランスがおかしいので、楽しい事ばかりの理想的で綺麗な物語も多く、面白いのですが、それだと現実に戻る時に余計に辛くなります。
(息抜きにはいいと思います。私も大好きです。)
最近では、本のタイトルも、悩んでいる人が気になるようなタイトルを付けてくれている本も多いので、本屋やアマゾンなどで本を探す時、自分が気になったタイトルの本があったら、そのまま試し読みしてみるのが良いと思います。
数ページ試し読みをしてみて面白かったら、きっとそれは今の自分に合っている本なので、買って熟読するのが良いと思います。
悩みが深いほど、読み込むことができ、壁を乗り越えるヒントや悩みの解決方法が見つかるはずです。
それは、自分が成長している最中であって、逆に言えば、悩んでいる時にしか、読めない本があると言えるかもしれないですね。
【書評】『銭ゲバ』著者:ジョージ秋山
久々に脳裏に焼き付いて離れない本に出会いました。
ジョージ秋山さんの『銭ゲバ』です。1970年代に発表された作品です。
銭の為なら何でもする主人公・蒲郡風太郎(がまごおりふうたろう)は、小さい頃にお金が無かった為に母親を死なせてしまった事から、世の中銭が全てだと言う価値観の元に、倫理観を無視してお金を集めまくります。
オブラートに包んだ表現ではなく、金の為にどんどん人の命が亡くなっていくので、かなり衝撃を受けます。善悪を問うような、文学作品のようでした。理性を失った人間の汚い部分をここまでリアルに描いている漫画は衝撃的でした。
ただの金の亡者の漫画であれば、ドラマやファンタジーなのでしょう。しかしこの漫画はそこが見所ではありません。
銭ゲバの風太郎は、銭の為に滅茶苦茶しますが、度々倫理観に苦しみ続けます。「こんな風に生まれたくて生まれた訳じゃない」と言っていますし、自身の事をどぶねずみだとも言っています。また、小さい頃は優しい少年でした。
そういった所に現代の資本主義のリアリティを感じる作品です。