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【書評】『銭ゲバ』著者:ジョージ秋山

久々に脳裏に焼き付いて離れない本に出会いました。

ジョージ秋山さんの『銭ゲバ』です。1970年代に発表された作品です。

銭ゲバ(上) (幻冬舎文庫)

銭ゲバ(上) (幻冬舎文庫)

 

銭の為なら何でもする主人公・蒲郡風太郎(がまごおりふうたろう)は、小さい頃にお金が無かった為に母親を死なせてしまった事から、世の中銭が全てだと言う価値観の元に、倫理観を無視してお金を集めまくります。

オブラートに包んだ表現ではなく、金の為にどんどん人の命が亡くなっていくので、かなり衝撃を受けます。善悪を問うような、文学作品のようでした。理性を失った人間の汚い部分をここまでリアルに描いている漫画は衝撃的でした。

ただの金の亡者の漫画であれば、ドラマやファンタジーなのでしょう。しかしこの漫画はそこが見所ではありません。

銭ゲバ風太郎は、銭の為に滅茶苦茶しますが、度々倫理観に苦しみ続けます。「こんな風に生まれたくて生まれた訳じゃない」と言っていますし、自身の事をどぶねずみだとも言っています。また、小さい頃は優しい少年でした。

そういった所に現代の資本主義のリアリティを感じる作品です。