「勝つこと」を目指して書かれた孫子は、現在ビジネスとも大きな共通点があり、今でも多くの方に読み続けられています。
長く読み続けられている書物は、時代が変化しても変わらない、人間の本質を突いた内容のものが多いです。孫子もその一つです。
人は皆、平等という理想は素敵ですが、実際の世の中は弱肉強食の部分も多く、それが自然の姿な以上、今後も様々な「戦い」が完全になくなることはありません。
だからこそ、孫子は読み続けられているのでしょう。
ありのままの人は弱く、失敗ばかりで人生を終える。
自然体でいることは、感情的にはとても安心出来るものです。心にやすらぎを感じるときに必要な考え方でしょう。
しかし戦いは非常なもの。勝つための定石を学ばず、勝ち組の理屈にも関心を持たないままでは、負けてしまうのも現実です。
敵を知り、己を知るならば、絶対に敗れる気づかいはない。己を知って敵を知らなければ、勝敗の確率は五分五分である。敵も知らず己も知らなければ、必ず敗れる。
これは孫子の中でも特に有名な文章ですね。
勝負の為には、徹底的に関連することを調べる。特に自分と敵の両方を知る事が、勝利に繋がると言います。何も準備をせずに戦いに行くのは、自ら負けに行くようなものかもしれませんね。
人のカラダは、環境に簡単に影響される。
人間は弱いものです。特に精神や体が健康である事は重要です。
また、マネジメントの考え方で、組織の成果が最も高くなるのは「人間関係」が良い時だそうです。(ホーソン実験)
勝つ能力を備えている者ほど、多くの準備が必要と考えているのです。
希望的観測をする人は、準備をおろそかにする危うい人だといえるでしょう。
孫子では、とにかく勝つ為の可能性を1%でも高くしようと、徹底して準備する事が重要だと言われているように思います。勝つ人は運が良いのではなく、勝つための努力を徹底しているのです。
孫子を読むと、勝つ為の心構えが学べるように思います。
勝負が嫌いな人でも、生きているうちに戦わなければいけない時は来るかもしれません。その時に、孫子の知恵が役に立つでしょう。